シールの歴史

 

まずはシールの歴史について、考えてみましょう。

シールの歴史は古代エジプトにまで遡ります。
当時の紙は紙の原型といわれている「パピルス紙」でした。この紙はパピルスと言う植物の繊維を水で溶かして分散させ、これをシート状にして脱水乾燥したものでしたが、この紙に記した文書を入れた封筒の封の上に美しい色に着色した粘土を付け、ここにそれぞれの紋章などを記した印を押したものを「シール」と言っていました。現在の「封蝋」と同じようなもので、公的な文書や各種の証明書にも使われ、署名の変わりに使用されていたとされています。これが今のシールの原型といわれています。

シールと言う言葉の語源は、ラテン語の sigillum (シジルム)が語源で、この言葉は同じラテン語である signum の派生語です。ちなみに、この signum は英語では sign の語源となりました。

この後、紙はパピルス紙から羊皮紙になり、やがて一大転機を迎えることになります。これをもたらしたのが、1450年頃のヨハネス・グーテンベルクが開発した活版印刷でした。グーテンベルクは活字だけでなく様々な面において現在の印刷技術の基礎を作りましたが、一番はそれまで使用されていた羊皮紙よりもはるかに印刷に適していた、酸性の中和剤(サイズ剤とも言う)を使用した紙を印刷に使用したことでした。その結果、それまでとは比べ物にならないほど書物が簡単に生産できるようになり、印刷が急速に広まったとされています。
紙の裏側に粘着剤を塗布したシールの原紙は近代になって登場してきますが、歴史上にその姿が見かけられるのは1876年のフィラデルフィア万博で、産業革命により各国で誕生した様々な展示物をサポートするために、シールやラベルが使用されたようです。

このあと、近代になって現在のシールが登場してきますが、日本で初めてシールが使われたのは1911年(1912年との説もあり)、イギリス国王ジョージ五世の戴冠式が行われた時、贈り物を封鍼するために、天皇家の紋章である十六八重表菊紋のシールを宮内庁から依頼されたのがその起源です。先進諸国から遅れること、およそ半世紀が経過していました。時代が昭和になると様々な機械が輸入されるのに伴い、シールも発展を遂げていきます。ガムテープや切手、お酒のラベルに始まり、だんだんと現在のシールの形になっていき、現在は非常に幅広い分野でシールが使われるようになっています。

このように、現在どこにでも見かけることが出来るシールは様々な種類があり、いろんな呼び方で呼ばれています。
シール、ラベル、ステッカー…。細かく分ければ分類することは出来ますが、今では厳密な区別はほとんどつけにくくなっています。

 

次は、シールはどうして接着できるのか?を考えてみましょう。

 

シールの接着原理へ